先生は多くの病院などで勤務し経験をつまれてきたとお見受けいたしましたが、その経験の中で中で「歯科医師として最も大事なこと」どのようなものとお考えになりましたでしょうか?
「歯だけを診てはいけない」ということですね。虫歯や歯周病、口の中の患部だけを診るのではなく、全身への影響を考えて診なくてはいけないということです。例えば虫歯や歯周病を放置したことで、脳梗塞や心筋梗塞など全身へ波及する病気につながることがあります。私は大学で「歯大工」になるなよ、と先生や先輩からいわれました。歯だけ治す仕事をして喜んでいるのではなく、医科の一部として、患者さまの健康を維持するための、歯科が専門の医者だということを大事にしろ、という意味ですね。病院の歯科に勤務していた時、入院していた患者さんに急に熱が出たことがあり、色々調べたら歯周病が原因だったということがありました。口の中から健康をサポートする、と言っておりますが、歯科医師は歯が専門の医者であるということを実感しています。