矯正歯科医を目指されたきっかけを教えてください。
僕は、元々は口腔外科で研修していました。愛媛大学の歯科口腔外科で2年間、親知らずの抜歯や、病棟もまわって診察していたんですけど、大阪に帰るきっかけで、知り合いの先生に矯正歯科の先生を紹介してもらったんです。それで何というか、その特殊なところに惹かれたんです。普通の、虫歯とか悪い歯を治すという歯医者も、もちろん重要な役割ですけど、患者さんの歯を綺麗に整えて、気持ちが前向きになるのを助けるような、矯正治療の特長がとても魅力的に感じました。そこからは矯正歯科医の道をひたすら進んできました。
患者さんともよくお話するんですが、一般の歯科医院では、元は健康だった歯が、虫歯などで傷んでしまったんで治療しますよね。いわば、「マイナスを0に戻す」治療です。これに対し矯正治療とは、見た目はどうであれ、噛んだり食べたり通常の働きには問題がない歯を、自分の意思で治そうとする、「0からプラスにする」治療だと思うんです。患者さんもそんなプラス思考な方が多く、そのお手伝いができるということは、こちらも楽しい仕事です。